初めて自分の力だけで作品に受賞したので、過去の自分の作品を振り返りながら受賞に重要な要素を考察してみた

こんにちは!

先週末12月12日に、ヒーローズリーグのオンライン審査会があり、そちらで私の物理フリック入力キーボードが受賞されました!

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受賞したのは、「ヤングヒーロー賞」というメインスポンサーの1社である 株式会社 hxs さんからご選出していただいものと、 「湯村 翼賞」という個人スポンサーの湯村様からご選出していただいたものです。

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物理フリック入力キーボードについて2つの賞を受賞しました。

おそらく、湯村さんに選んでいただいたことで、初めてオンライン決勝に出力できることが決定したと思っているので、本当にありがたい限りです。。。どうやらこの湯村さんは北陸先端大の博士出身らしく、奈良先端大の自分は親近感を抱いています。入賞歴がすごい。



さて、今回はありがたいことに2つの賞をいただくことができましたが、これが初めて自分1人の力だけで(?)作品に受賞できた経験となりました。今まで、出場した全てのハッカソンで受賞したり、大学の成績を評価されたことはありましたが、「開発」という面で自分一人の能力を認めてもらえたことはありませんでした。

ということで、本記事ではいままでの開発を振り返りながら、作品で受賞するために重要そうなことを個人的に考えてみたいと思います。果たして受賞することが最善かは置いておきます。


過去開発物と受賞の有無について

まずは自分の過去作品を振り返っていきます。
受賞したかについては、タイトルの○×で表そうと思います。

画像処理ライントレーサ :×

関西の大学が「関西合同ロボコン」という名目で開催しているライントレース大会があるのですが、その余興的な感じで作ったものです。

システムを簡単に言うと、普段はラインセンサーを用いて白線を検出するライントレーサにおいて、画像処理を用いて線の曲がり具合を見てPID制御していました。

その大会にはアイデア賞的なものがあったのですが、思えば、なんだかんだ人生最初に賞狙いで作った記憶があります。その大会では画像処理系の機体が少なかったのでイケるかなと。

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画像処理ライントレーサ



結果として何も賞が得られませんでしたが、この原因として考えられるのは下記の点があります。

  • 〇完成させた(えらい!)
  • ×使用したいと思えない(例えば、マーカの認識をすることで道をショートカットするような高度な制御ができると見せるべきだった)
  • ×性能が高くない、しょぼい(重心問題で動きがカクカクしていた)
  • ×機体の説明が魅力的でなかった(実現方法のみ述べていた)
  • ×小さな内輪の大会であり、自分が実行委員長でもあった


学習教材管理補助システム:×

続いて、外部のまともなコンテスト(GUGEN2018)に応募した初めての作品です。これはロボ研の活動で電子工作班を立ち上げたものの、誰も作品が完成し無さそうだったので自分だけは応募しようと思って行なったものです。

システムを簡単に説明すると、教材がまとまったファイルボックスに取り付けたタグが、人間の代わりに教材関連のイベント(例えば宿題や提出物、持ち物など)を知らせてくれるというものです。新規性は高いと思います。

gugen.jp

www.youtube.com


提出した作品については、基盤の小型化やケース作成が間に合っていなかったため、一眼での写真と動画によって魅力を伝えようと努力しました。動画の構成としては、{問題提起 → 使用の流れ → 使用場面}という順で説明していました。今見返すと説明が不足しており、どこを推していてどんな機能があるのか動画を見ただけでは伝わりづらい状況でした。また、音声による説明もしていなかったため、紹介動画視聴者にとって何を受け取れば分からなかったのではないかと思います。

このとき、何人かの知人に(7人ぐらい?)頼んでサクラで高評価を付けてもらっていました。 作品説明文としては魅力が伝わるようにコンセプトを大々的に掲げていましたが、そのおかげで評価が伸びた気もします。



結果としては選考会に進出することも出来ませんでしたが、高評価数は最終的に18個と、他作品と比較しても比較的高めの評価を得られました。このときに良かった点と悪かった点は下記の内容があると思っています。

  • コンセプトを1文で掲げた
  • 〇画像が綺麗だった
  • 〇アイデア新規性がある
  • 〇比較的多くの人が経験したことがあるテーマに基づいていた
  • サクラを用意したおかげで他の人の目にも入りやすく評価もしやすかった(良くないですが、GUGENでは大々的にサクラしている人が多いと予想してます)
  • ×機能詳細や応用可能性が理解しづらかった
  • ×動画に音声がなく伝わりづらかった
  • ×けっこう未完成だった


遠隔ポインティングシステム:○

こちらは過去の記事で紹介したハッカソンで作成した作品です。こちらは3人のチーム開発をしており、個人の力だと言えませんが、2位/9 で入賞しました。

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簡単に説明すると、テレビ会議中の対話相手の物理的な所有物などに対して、遠隔地から指示をしたい人が、相手の空間をレーザーポインタを照射できるようなスマホシステムです。なるほどわからん

まあ、例えば机上の紙の本に対して、「この本がおすすめだよ」と話したり、
遠隔授業で黒板の内容に対して、「この数式がよくわからない」と質問したりできます。
新規性は高いと思います。

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この画像でわかるかな

メンバーの能力やる気が高かったため、少し難しいテーマだったにも関わらず、作品の質を上げることができました。また、このハッカソンのテーマである「リモートワークの時代に必要になるツール」について、「コロナ」で明らかになった問題に安直に取り組んだのでなく、本質的に今までの生活を見ても問題だった限界を洗い出して取り組めんでいたと思います。発表については普通でしたが、背景から技術面、応用可能性までバランスよく説明できていたと思います。



この作品での良かった点と悪かった点は下記の内容があると思います。

  • 〇伝え方についてメンバと話し合えた
  • 〇期間の長さや人数の関係でクオリティを高められた
  • 〇アイデアに新規性がある + テーマに対して本質的である
  • 〇多くの応用可能性を示し、ビジネス性も伝えられた
  • ×大会運営側が想定している作品とずれていた
  • ×万人が使いたいと思う用途ではなかった


服装推薦サイト:○

こちらは著作権的にインターンの開催社に属しているため、ブログでは述べなかったものですが、5人1チームのSDGs関連のハッカソンでした。

システムを簡単に説明すると、オシャレに興味があるけど知識がない人が、オシャレである複数人から複数通りの服の推薦を受けられ、それを簡単に買えるようなwebサイトです。詳細は言っていいかわかりません(最終面接で落とされた)。

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この絵でも怒られたら消しますよ

自分のチームは4人と人数が少なかったのですが、その分計画的に実装を進められました。また、発表が得意な子がいたので、{その子の発表力 + 研究室で学んだスライド力}を持ってして、問題提起からビジネス的な話まで多くのことを発表することができました。この話ができたのも、社員さんへのヒアリングやフィードバックをもらいながら、4人で永久にシステムの可能性や問題について語ったためできたことであり、パッと出たアイデアながらもほぼ完ぺきなシステムに練り上げられたと感じています。



結果として、そのハッカソンの全部の賞である最優秀賞とセキュリティ賞をいただいたので、そのときの良かった点と悪かった点について下記にまとめます。

  • 〇社員さんにもヒアリングをしながら利用したいシステムか確認した
  • 〇システムの対象や問題点、リスクマネジメントなどについて十分話し合い続けた
  • 〇ビジネスへの応用のために利用者への金銭的なメリットや流れを検討した
  • 〇メンバが適材適所で実装を進めた
  • 〇アイデアに新規性がある
  • 〇本質的に必要な機能を選定しながら順に実装していった
  • ×実装が終わらない面もあった
  • ×最後の発表でちょっと手を抜いた…


物理フリック入力キーボード:×○

最後に、今回のメインでもある作品についてです。完全に1人で開発を行い、GUGEN2020とヒーローズリーグの2つのコンテストに応募しました。

全然評価されなかったGUGEN2020↓
gugen.jp

2つも賞をいただけたヒーローズリーグ↓ protopedia.net

この作品は、両手に持った2デバイスで、フリック入力のような操作で文字を入力できるデバイスで、安全な歩きスマホ(前を見ながら入力)を実現するためのものです。本システムは作品がしょぼく見えないように、基板化やケースの作成を行うことでより完成形っぽい形で応募しました。

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2コンテストでほぼ同じ動画を用いたのですが、動画の構成は{背景 → 3つのアプローチ → 機能 → 使用場面 → メリット → 応用可能性}という至って平凡な内容です。ただし、動画に音声を入れる恥ずかしさをかなぐり捨て、音声で説明し伝わることを意識しました。 他の参加者は動画時間がもっと短くて、具体的な使用場面の紹介のみから多くの要素が伝わってくる動画が多いように感じました。 しかしオンライン大会当日は、「ユースケースがおかしいんじゃないか」と評価されるなど、本システムの定義や使用場面が伝わってい無い部分がありました。そのため、より実践的な場面を映した使用例の動画を用いるべきだったと感じています。

この作品において、過去作品と大きく違ったのはアウトプットの多さでした。絶対にサクラを使わないと決めていた今回は、いかに赤の他人に目が触れるかが重要になります。そこで、ブログでの進捗報告やyoutubeでの動画公開、twitterのRTなどの苦手なアウトプットに積極的に取り組んでいました。オンライン大会中にtwitterで反応したのも人生初の経験でした。
ただ今となって思うに、人目に付けようとした目的よりも、作品について誰とも対話できない中で、文章として繰り返しアウトプットしたことが、自分の中で整理をつける重要な役目を果たしていたと感じています。


ただ、結局もっとも重要だった点は、いつもより多くの人に審査してもらえたことなんじゃないかと考えています。GUGENでは非常に限られた個数の作品のみが選考会に選出されますが、ヒーローズリーグはオンライン決勝に51個(?)もの作品が選出されています。そして、作品を見る人が多くなればそれだけ多くの価値観があり、自分の作品にマッチする人も多くなると思います



結果は一番最初に述べた通り、2つの賞を受賞しました。そのときの個人評価です↓。

  • 〇定期的な制作のアウトプットを行った
  • 〇アイデアの新規性は薄い(googleの動画)が、使用場面や背景を強固にした
  • 〇作品の質を高め、しょぼく見えないようにした
  • 〇動画で無駄な前置きをしなかった(?) + 音声による説明
  • 〇研究室のメンバに使ってもらい、実際に使えそうか・技術習得できそうか試した
  • ×実装が終わらない面もあった
  • ×使用場面の具体性が低くユースケースが伝わりにくかった






受賞のために重要な要素予想

全体

結局、イデア出しの段階で本質的な問題を洗い出せるかが重要であり、身近な問題の解決策を十分に考えてきたことが大きな要因だった気がします。 つまり、作品の質を向上させるためは ↓ の項目は必須だと考えています。俺得な作品だとしてもです。この2点が十分にはっきりしていればストーリーが生まれ、魅力を伝えるハードルがグンと下がるでしょう。

  • イデア新規性を高める
  • システムの応用可能性を明らかにする



普段からあまり良いアイデアが出ないという人は、↓ のような行動をより積極的に行なうと解決できるのではないかと思います。

  • 自分の中で整理をつけるためにアウトプットを頻繁に行う
  • 人と積極的に話しあい、システムの弱点を固める
  • 本当に使えそうか試してもらいフィードバックを貰う
  • ビジネス面での可能性を考え、ユーザの動きや金銭的な無理が無いかを検討
  • キャッチフレーズ・コンセプトを一言で言い表す



最後に、賞が欲しい人は ↓ に取り組んだらよいでしょう。

  • サクラ(初動の早さ)により赤の他人も評価しやすくする(GUGENの場合?)
  • 賞や選択者が多い大会を選択


アウトプット内容

アウトプットについては、動画は「作品を紹介する」という目線ではなく、「ユーザに欲しいと思われるように伝える」ことが重要だと感じます(技術的な評価項目がない場合ですが)。そのため、見ても辛くない、内容がなんとなくわかる、ワクワクする世界が見えるように紹介するべきです。
ということで、 ↓ のことに気を付けるべきだと思います。

  • 音声での説明で何を伝えるか分かりやすくする
  • ユースケースを具体的に伝える
  • 写真や動画の美しさ


おわりに

1回自分の力だけで賞をもらえたからって、偉そうにしすぎました。ただ、過去の制作が積み重ねてきたからこそ相手に伝える術を獲得できたのかなと思っています。

また、提出する大会が変わるだけでも評価が変わったり、より多くのフィードバックを得られるため色々試さないと意外に分からないものです。


身近な人に試してもらい、フィードバックを得ることが恥ずかしい人もいるかもしれませんが、意外に大丈夫です。なぜなら、電子工作ができる人はこの世に限られており、更に自分のアイデアを形にできる人も非常に限られているため、どんなしょぼいものでも使用場面が伝われば驚いてくれるからです。というか、作品を真っ向から否定してくる人とは縁を切ってしまいましょう。

賞が欲しいけど中々うまくいかないという皆さんも、私の考察を参考程度にもう少し続ければ結果が変わってくると思います。皆さん一緒に開発頑張りましょう!

(Qiita Advent Clendarをご覧の皆様には、記事が遅くなったことをお詫び申し上げます。。。)