机上の空論主義者

-♰- 有言不実行の自身をブログ名で戒めろ -♰-

SNSでの議論をマシにするにはどうすればいいのか

こんにちは。


今回は、机上の空論的な話です。つまりは、今後紹介していくwebサービスに繋がるお話です。

さて、皆さんはSNSの議論は建設的ではないため無駄だと感じており、当然のごとく避けているのではないでしょうか。私もその一員であり、何ならSNSを見ているだけでも時間の無駄だと感じています。

SNSでの議論を批判する記事で調べていたので、無意味さを問うものが多いのは当然ですが、下記の記事はどれも論理的で共感できますね(こんな風に知的に意見が述べられるようになりたいものです)。


私はそんなSNSでの議論の在り方を、改善する目的で見つめ直すべきなんじゃないかと考えています。これは、誰でもわかるような「SNSで議論をするべきじゃない!」ということを言いたいのではなく、「こうしたらSNSでもまともに議論できるね!」ということを考えるべきだという意味です。
真剣に考えた想いを、オフラインでもオンラインでも発言できない社会は楽しくなですしね。

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Canvaとの連携機能が追加されていたので作ってみた


問題点の検討

SNS上での議論がうまくいかないのは、意見の発言方法について自由度が高すぎることが原因だと私は考えます。
その自由度の高さからくる問題には、(1)「あくまで呟きである」と開き直れる環境に、匿名性が加わることで極論を気軽に発言できることや、(2)相手の背景がわからないため意見相手を人として捉えられず、読み手の心情を無視した失礼な発言をしてしまうこと、(3)完璧な答えや審判が存在しない中で、多数決的に答えを出そうとしていること、(4)無限に考える時間がある後だしジャンケンであること、(5)頭のおかしい人と気軽に出会えること などがあると思います。

これだけ問題がある環境を改善することは簡単でないと分かっていますが、端くれエンジニアならば無理目な問題にも焦点を当ててみるべきだと思うのです。


どんな発言方法を目指すべきか

さきほどSNS上での意見の発言方法に関する4つの問題点を上げましたが、これを解決できるシステムができないか検討したところ、下記の特徴が必要だと考えました。

  • 特徴1. 発言者の匿名性を弱める
  • 特徴2. 建設的な意見を引き出すことが目的で、答えを出すことは目的としない
  • 特徴3. 議論相手を絞るためのシンボル的な役割を持たせる
  • 特徴4. 意図的に意見投稿までにかかる時間を長くする



上記4つの特徴を備えるために、下記の4つの機能を実装することを考えました。

  • 機能1. 立場や年齢などのわずかな個人情報の提示を行うことで匿名性を弱める
    → 期待する効果1:発言に責任感を抱かせる。
  • 機能2. UIを工夫して様々な立場の存在を強制的に見せたり、発言前の忠告を設ける
    → 期待する効果2:意見投稿までにかかる時間を長くできる。
    → 期待する効果3:次の意見者は、相手の背景であったり様々な立場が存在していることを認識させる。それにより、無意識的に人と対峙している感覚を植え付ける。
  • 機能3. まとまった意見が出るように、一人2回のみ発言できるようにする
    → 期待する効果4:特定の対象を論破することに注力できず、まとまった意見を1回で発言するしかなくなる。 = 建設的な発言をする人の割合が増加する。
    → 期待する効果5:他人の意見を見る過程で変化した場合の、個人としての解を示す2回目。
  • 機能4. 画像を用いた視覚的特徴を持たせる。
    → 期待する効果6:SNSで埋もれづらくなり、提案システムを用いない意見は無視に徹することができる。


提案システム

さて、ここからは私の提案するシステムです。対象とするSNStwitterです。
殴り書き程度の内容ですが、解決にはTwitterカードを用いた手法を考えています。

twitterカードのイメージが付きづらい方は、「マシュマロ」や「ウェブ表彰」などの例を見るといいかもしれません。

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責任を持って発言したいtweetに対して、立場を示すカードを1枚添付する

提案システムによるものは議論とは呼べず、単に「1つのトピックスに対して責任をもって建設的な意見を発言する枠組み」と言えるかもしれません。これだけでSNS上の議論が完全に良くなるとは思っておりませんが、マシな人の意見を見る確率は上がるんじゃないんですかね。

前提条件

  • このシステムが広く使われており、1種のマナーと化している(使用していない反対意見は呟き程度の重みであり、無視の対象とできる)
  • 1人1つのまとまった意見が何人からも発言され、その内容から各個人で答えを見出す
  • 1つのハッシュタグごとに、一番最初のカード作成者が記述する内容を決定できる
  • 個人情報はある程度は秘匿した状態で出力
  • 極めて過激なワードが含まれるとカード生成できない(NGワード

お世話になった人にお礼を言ったり、 どうでもいいLINEの終わりにスタンプを押すように、感染症予防対策に消毒やマスクを推奨するように、ネット上でのちょっとしたマナーとしての立ち位置を目指しています。マスク警察みたいな強制はしたくありませんが。

議論内容想定例

現在、1つのハッシュタグに対して1つの記述内容テンプレを保持しようと考えています。そのため背景記述内容を変更したい場合は、別バージョンの議論としてハッシュタグの文面を変えるべきです(提示する背景が変われば議論の方向も変わりそう + 荒らしがテンプレをめちゃくちゃにしても別のバージョンのテンプレを用いればいい)。
そして、議論が建設的な意見を発せるように、解決方法を明らかにする方向の議題が求められます。したがって、下記の様な{テンプレ値 + お題}という順でハッシュタグが定義されると思います。
ハッシュタグ内に特殊文字を入れるのも、検索時にLimitできるので良いかもしれないですね🤗。


例①

  • 日本ではヤクザの象徴だが、海外ではそうではない。入れ墨は危険思想や強さを表すのではなく、一生をもって付き合いたいポリシーだと考えられる。許容するための策として、法的・イベント規制を排除していき、多様性に慣れることが重要だと考える。 #1.入れ墨を国民が許容する方法

    #1.入れ墨を国民が許容する方法
    立場:許容派  年齢:20代  性別:不明
    背景1:好きなバンドのVoが入れ墨している
    背景2:入れ墨をしている海外女性が美しい
    背景3:掘っただけで生き方が変わるのは変

例②

  • 電車内に監視カメラを付けてほしいです…… 痴漢に遭っていても、その場で声を上げることは怖いというのと、その場で捕まえた場合でも証拠として使えると思います。#1.痴漢被害の抑え方

    #1.痴漢被害の抑え方
    立場:痴漢された  年齢:10代  性別:女性
    背景1:電車通学で毎朝恐怖を感じている
    背景2:身なりに気を遣うが週2で被害に遭う
    背景3:休日の私服よりも制服でいるほうが多い

例③(記述する背景内容が変化)

  • 極論かもしれませんが、よく痴漢被害に遭うけど耐性がある人が、万引きGメンみたいに取り締まるのってどうなんでしょうかね。それをテレビで成果を報道しまくったら、男性側の常識が変わって痴漢加害者が減る気はします。#2.痴漢被害の抑え方

    #2.痴漢被害の抑え方
    職業:警察官  年齢:40代  性別:男性
    被害に遭った場所:電車
    加害者の手口:肘や傘を使った証拠がつかみづらい手口
    背景1:娘が毎日のように泣きながら帰ってくる
    背景2:娘は親に不安にさせまいとどこまで酷いことを
        されてるか話してくれない

利点

先ほど、機能のところで述べていた 期待される効果 が利点だと考えています。

つまり、
個人情報公開により発言に責任感を抱かせられると考えられます。また、従来のいくらでも後出しジャンケンができる環境と違い、投稿の回数制限があることにより1つの投稿に時間をかけて、まとまっている建設的な意見が発言されると要素しています。
投稿までに多少時間がかかることで自分の意見を冷静に考えたり、UIの利用で強制的に他の背景の存在を知ったり、投稿前の忠告があることで、発言内容が変ではないか多少考える瞬間を生むことができます。

Twitterカードを用いた視覚的にキャッチしやすいものであり、意見を読むかどうかすぐに判断でき、まじめなことを考えたくないときでも疲れません。カードの内容に依っても、その人の意見をまともに読むべきかやブロックしてもいいかなどの判断材料になり得ると思います(例えば年齢や職業がコロコロ変わる人や、極論者、あまりに特殊な背景を持つ人など)。明らかにヤバい人はミュートの対象として処理できます。

欠点や問題点

まず、面倒くさい問題点は一番大きな障壁になると考えられます。どこまでUIを工夫して手間を減らせるかが重要です。この提案システムが浸透するまでは、使い方が一致しなかったり、お題の命名が下手くそだったり(非建設的になる)すると考えられます。そこで、UI側で「良い/悪いカードの例」や、推奨される書き方などを示す必要があるかもしれません。

次に、周りと比べて明らかに異なる少数派となったときに、一斉的にブロック対象となる可能性があります。Twitterの仕様は知りませんが、何も悪くなくても垢banの可能性が高くなってしまいます。これはブロックではなくミュート機能を用いるような心がけが浸透すると改善するかもしれませんね。
最後に、複数のアカウント所持者や、ローカルで画像複製する人には対処できません。対策としては、電子透かしを入れることだと考えています。こればっかりはブロックチェーンで画像生成者を管理できない限りは厳しいです。また、ハッシュタグ生成に関する荒らしに対処できません。あくまでシステム上で「このバージョンのTweet数」というのを表示するぐらいで対処可能かも。

実装

Web系の勉強のために、GolangをバックエンドにしてReactをフロントとした構成にしようと考えています。画像生成は、文字列を受け取ってからサーバ側でNGワード等をチェックしながら、ImageMagickを用いて生成しようと考えています。
ちなみに現在は、GolangでのREST APIから実装している最中です。研究や就活と並行でゆっくりと進めているため、web開発が得意な人は先を越さないでください……
別の開発アイデアをあげるので……


おわりに

身分を明かすほどのリスクを負って発言に責任を持たなければ、従来通りSNSでの議論は不可能だというのが私の結論です。 個人情報を一部公開したシンボル的な特徴を持つTwitterカードによって、SNSでの議論がマシになってほしいですね。

より良い世界を作れるよう、私もシステム制作を頑張っていきたいと思います。


この話題については、もう少し開発が進んでから進捗・コード紹介しようと思います。引き続きよろしくです。