未踏IT人材の開発物が面白い【20/31記事目】

こんにちは。

皆さん「未踏IT人材発掘・育成プロジェクト」をご存じですか? 情報系で研究をしていない方は、あまり知らないかもしれませんね。
この未踏IT人材発掘・育成プロジェクトは、日本のNPO法人であるIPA情報処理推進機構)が取り仕切っている、

ITを駆使してイノベーションを創出することのできる独創的なアイディアと技術を有するとともに、これらを活用する優れた能力を持つ、突出した人材を発掘・育成することを目的

とした事業のことです。簡単に言うと、若いIT人材のやりたいことを資金補助して、好き放題やらせてあげることですかね。 これが採択された学生は、個人的にはTop conferenceに論文を出せることと同等なぐらい天才の印象があります。


というわけで、今回は過去3年分の作品を見て、気に入った開発物を個人用にまとめようと思います。

2018年度

Functagraph 3Dプリントするオブジェクトの動きを3Dプリンタ上で表現するためのソフトウェアプラグイン

https://www.ipa.go.jp/files/000073247.pdf

3Dプリンタを用いて印刷するだけでなく、印刷したものを3Dプリンタ上で動かしてしまおうというものです。印刷後にサポート材を外さず、動くものを一度で出力することができるようにソフトウェアを作成したとのこと。3Dプリンタの先端部分も自動的に変更可能になっていて、組み立てまで可能だとか。

Deep Glyph 文字形状を自動生成するWebフォント制作支援ソフトウェア

https://www.ipa.go.jp/files/000073265.pdf

日本語のフォントを新しく作る場合、英語の場合に比べて大量の文字についてデザインする必要があります。Deep Glyphを使用すると、いくつかのサンプル書体をデザインするだけで、すべての文字のベクタを生成できるようです。

私も死ぬまでに1度はフォントを自作してみたいなと思っていたのですが、これがあればすぐに実現できてしまいそうですね。


2019年度

Ambre 電気の様子が手に取るようにわかる回路学習ツールの開発

https://www.ipa.go.jp/files/000081813.pdf

電子工作コンテストのGUGENで見たことがあったので、これが未踏の開発物だったと知って驚きました。本来視覚的に見ることができない電気の特性を可視化できることは、直感的な理解に繋がるので素晴らしいです。配線を握ると抵抗が変化したり、電流量によって配線が振動するというのは発想が面白いですね。

これを使った子供たちが電子工作に発展していき、Makerが増えると楽しい世界になりそうです。

monorith 先行研究をインタラクティブに要約するシステムの開発

https://www.ipa.go.jp/files/000081770.pdf

私事ですが、論文調査することがとても苦手です。Margin Noteというpdf管理アプリを用いていても、論文の収集は自力で行わなければならず苦しい思いをしています。monorithは幅広い関心に基づいた検索に特化しているとのことで、例えば「群ロボット」について基礎知識のない0から学ぶ際でも、マインドマップ形式で全貌を表示してもらえることで、勉強効率がかなり向上しそうです。


2020年度

高速な自動立体造形を実現する手軽で安価なカット加工機の開発

https://www.ipa.go.jp/jinzai/mitou/2020/gaiyou_fj-2.html

安価で軽量な発砲スチロールカッターです。家庭に導入するにはレーザーカッターは大規模すぎるので、発泡スチロールレベルの手軽なものが手に入れられる時代に早くなって欲しいものです。スマホから撮影した画像を印刷できるようで、小学生でも使えるような手軽さにこだわりを感じます。単純に欲しいです。


LiCo シェーダライブコーディング・アーカイブシステムの作成

https://www.ipa.go.jp/files/000090538.pdf

私はライブコーディングという言葉を聞いたことしかなく、オタクがvimでプログラミングをしているのを、別のオタクが喜んで眺めることなのかと思っていました。どうやら本当はプログラミングで音楽やらをリアルタイムに演奏・表現することのようですね。オタクに変わりはなさそうですが。

この開発物はそのシェーダ(映像)バージョンの様です。音や映像でリアルタイムに変化を楽しめると言うのは、プログラミングにハマるきっかけにもなりそう。あと、映画の幾何学模様などがシェーダで作られていることを知り、普通に驚きました。身に着けてみたい技術ですね。


Kineto 時間を操作する映像型ノートの開発

https://www.ipa.go.jp/files/000090477.pdf

録画された授業映像に対してメモを残すことができるシステムです。映像時間とクラスメイトのメモ内容が関連付けられており、映像を停止・早送りしたとしても他人のメモを見ることができるようです。ニコ動の授業版みたいな感じですかね。
黒板を写す必要もなく授業に集中でき、声で発言する必要が無いため自分の意見を述べることに抵抗感がなくなり、クラスメイトの考えも良くわかるという、素晴らしいシステムです。近未来の子供は本当に楽しそうな授業が受けられそうで羨ましいものです。


おわりに

未踏IT人材開発・育成の開発物は面白いものばかりです。3年分ほぼすべての概要を見ましたが、技術レベルも高く着目点も世の中に役立つもので、多くの人が憧れる存在なことが良く理解できました。

私も同じように世の中を変えるデバイス等を作っていきたいものだと、モチベーションが上がりました。

それでは。